2015/07/15
前回、体重を減少する黄金ルールは、エネルギーの摂取量<消費量というお話をしました。
この法則を日常生活で日々達成するためには、飲食でエネルギーの摂取量を減らす一方で、運動や生活活動(日常生活での労働、家事、通勤・通学などの身体活動)を活発にして、エネルギー消費量をアップすることも大切です。
いったんカラダについてしまった体脂肪1kg(7,000kcal分)を、ウォーキング(体重50kgの人では、1時間に約150kcalを消費※1)だけで減量するには、約47時間も歩く必要があります。
国民健康・栄養調査(平成25年)によると、成人1日あたりの歩数の平均値は、男性:7,099歩、女性:6,249歩。健康日本21(第二次)では、日常生活における歩数の増加を目標に掲げ、20~64歳では、男性:9,000歩、女性:8,500歩を目標値として定めています。
歩数計や活動量計を活用すれば、運動による消費カロリーを知ることができ、効率的な減量計画も可能です。また最近では、スマートフォンやアプリと連動したウェアラブル端末も進化し、よりいっそう本格的に、楽しみながら減量をマネジメントできるようになりました。
また、健康日本21(第二次)において、厚生労働省から「健康づくりのための身体活動基準2013」と「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」が公表され、アクティブガイドでは、いまより10分多くカラダを動かすことを、「+10(プラス・テン)」というキャッチフレーズで推奨しています。
ふだんから元気にカラダを動かすことで、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、ロコモティブシンドローム、うつ、認知症などになるリスクをさげ、健康寿命をのばすことができるとしています。
カラダを動かす時間は、18~64歳では1日60分、65歳以上では1日40分を目標時間とし、通勤・通学、買い物、そうじなどの日常生活動作に加え、ウォーキングや筋トレなどの運動が含まれると、より効果的と示唆しています。
運動時にカラダの中でエネルギー源となるものには、主にグルコース(ブドウ糖)と遊離脂肪酸(以下FFA)があり、運動強度が中等度の時、FFAは最も効率よく利用されます。脂質がエネルギーとして利用されるとき、たくさんの酸素を必要とするため、息を切らさない程度に長く続けられるウォーキング、軽いジョギング、サイクリング等の有酸素運動が効果的です。
さらに、スクワットなど、筋肉が増強される運動は、基礎代謝力もアップ!体脂肪が燃えやすくなり、減量や肥満予防に効果的に働きます。たくさんの酸素をとりこむ有酸素運動と、基礎代謝量をアップする筋トレを、プラス10分から、無理なく習慣化することを心がけたいですね。
普通 歩行 |
速歩 | 水泳 | 自転車 (軽い負荷) |
ゴルフ | 軽い ジョギング |
ランニング | テニス (シングルス) |
|
強度 (メッツ) |
3.0 | 4.0 | 8.0 | 4.0 | 3.5 | 6.0 | 8.0 | 7.0 |
運動時間 | 10分 | 10分 | 10分 | 20分 | 60分 | 30分 | 15分 | 20分 |
運動量 (メッツ・時) |
0.5 | 0.7 | 1.3 | 1.3 | 3.5 | 3.0 | 2.0 | 2.3 |
体重別エネルギー消費量(単位:kcal) | ||||||||
50kgの場合 | 20 | 25 | 60 | 55 | 130 | 130 | 90 | 105 |
60kgの場合 | 20 | 30 | 75 | 65 | 155 | 155 | 110 | 125 |
70kgの場合 | 25 | 35 | 85 | 75 | 185 | 185 | 130 | 145 |
80kgの場合 | 30 | 40 | 100 | 85 | 210 | 210 | 145 | 170 |
「健康づくりのための身体活動基準2013」より
メッツ:運動や身体活動の強度の単位で、安静時を1とした時と比較して、何倍のエネルギーを消費するかで、活動の強度を示します。
エネルギー消費量は、強度(メッツ)×時間(h)×体重(kg)の式から得られた値から、安静時のエネルギー量を引いた値です。全て5kcal単位で表示。